今回は前回の続きで、1型、2型糖尿病以外の糖尿病ということで、
“妊娠糖尿病”についてお話していきたいと思います。
妊娠糖尿病は、妊娠中のみ血糖値が異常となる症状を言います。
2型糖尿病とは異なる病気であることに注意を要します。
(必ずしも「生活習慣の悪い妊婦」がなるわけではありません。)
原因としては、妊娠中に増加するホルモンである
hPLやエストロゲン、プロゲステロンなどが
インスリン抵抗性を悪化させることに因ります。
一般には、出産後に改善します。
一方、元々糖尿病患者が妊娠した場合は、
糖尿病合併妊娠と呼ばれます。
とは言え、元々糖尿病であったかどうかを
完全に確認できているわけではなく、
妊娠糖尿病で発症し、
分娩後もそのまま糖尿病が治らないこともままあるようです。
基本的に食事療法が行われますが、
改善しない場合、後述の胎児へのリスクもあり、
また飲み薬は催奇形性の懸念があるため、
インスリン注射療法を行うことになります。
胎児への影響があるため、通常時より厳格な管理を必要とし、
六分食やインスリン持続皮下注などを行うこともあります。
妊娠糖尿病では先天異常のリスクが高まるが、
妊娠初期から正常血糖を保っていれば、通常の妊娠と同等です。
早産も多く、羊水過多、妊娠高血圧症候群の頻度も高い
ハイリスク妊娠のひとつです。
妊娠糖尿病では巨大児になりやすいため、
難産になりやすいようです。
また、妊娠糖尿病では中枢神経系よりも身体の発育が良いので、
出産のときに頭が通っても肩が通らない肩甲難産になりやすく、
そのため、分娩が長引く場合は帝王切開が良いとされています。
6回に分けて各糖尿病についてお話してきましたが、如何でしたか?
糖尿病と言っても、こんなに種類があるんですね。
次回は、糖尿病の症状や合併症について解説していきたいと思います。
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