2013年10月3日木曜日

糖尿病の分類⑥(妊娠糖尿病)

今回は前回の続きで、1型、2型糖尿病以外の糖尿病ということで、

妊娠糖尿病についてお話していきたいと思います。 


妊娠糖尿病は、妊娠中のみ血糖値が異常となる症状を言います。 

2型糖尿病とは異なる病気であることに注意を要します。

(必ずしも「生活習慣の悪い妊婦」がなるわけではありません。)

原因としては、妊娠中に増加するホルモンである

hPLやエストロゲン、プロゲステロンなどが

インスリン抵抗性を悪化させることに因ります。 

一般には、出産後に改善します。 


一方、元々糖尿病患者が妊娠した場合は、

糖尿病合併妊娠と呼ばれます。 

とは言え、元々糖尿病であったかどうかを

完全に確認できているわけではなく、

妊娠糖尿病で発症し、

分娩後もそのまま糖尿病が治らないこともままあるようです。


基本的に食事療法が行われますが、

改善しない場合、後述の胎児へのリスクもあり、

また飲み薬は催奇形性の懸念があるため、

インスリン注射療法を行うことになります。

胎児への影響があるため、通常時より厳格な管理を必要とし、

六分食やインスリン持続皮下注などを行うこともあります。

妊娠糖尿病では先天異常のリスクが高まるが、

妊娠初期から正常血糖を保っていれば、通常の妊娠と同等です。 


早産も多く、羊水過多、妊娠高血圧症候群の頻度も高い

ハイリスク妊娠のひとつです。

妊娠糖尿病では巨大児になりやすいため、

難産になりやすいようです。 

また、妊娠糖尿病では中枢神経系よりも身体の発育が良いので、

出産のときに頭が通っても肩が通らない肩甲難産になりやすく、

そのため、分娩が長引く場合は帝王切開が良いとされています。


6回に分けて各糖尿病についてお話してきましたが、如何でしたか?

糖尿病と言っても、こんなに種類があるんですね。


次回は、糖尿病の症状や合併症について解説していきたいと思います。



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