2013年10月23日水曜日

糖尿病の治療⑥(薬物療法③)

今回は、速効型インスリン分泌促進薬

フェニルアラニン誘導体(グリニド系)についてお話していきたいと思います。


主だった薬物は下記の表の通りです。


一般名
商品名
血中半減期
hr
作用時間
hr
一日使用量
mg
ナテグリニド
ファスティック®
スターシス®
0.8
3
270360
ミチグリニドカルシウム水和物
グルファスト®
1.2
3
3060
レパグリニド
シュアポスト®
1.0
58
0.753.0


フェニルアラニン誘導体 (グリニド系) は、SU構造は持たないものの、

SU薬と同様に膵臓のランゲルハンス島β細胞のSU受容体(SUR1)に作用し、

インスリン分泌を促進させる作用機序を持ちます。


食後は吸収が悪くなるので食直前に内服します。

5~15分で薬効を来たし数時間で作用消失します。

この早く効いて、早く効果がなくなるという点がSU薬と大きく異なるところです。

食後血糖降下薬ともいわれ、SU薬がインスリン基礎分泌の促進

グリニド系がインスリン追加分泌の促進と考えられています。

インスリン療法の超速効型インスリンと中間型インスリンの対応に似ていますが、

SU薬とグリニド系の併用は保険診療上認められていません。


なお、ナテグリニドは活性代謝物の腎排泄性が高いために、

糖尿病性腎症の進行に伴う腎機能低下により、

遷延性の低血糖を起こしやすい性質を持っています。


次回は、ブドウ糖吸収阻害薬について解説していきたいと思います。


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