その関連薬についてお話していきたいと思います。
抗生物質の開発中、副作用の低血糖が起きて、薬効が発見され、
1950年代から使用されています。
開発された順に第一世代、第二世代、第三世代と分類され、
第一世代にはトルブタミドなど薬理学的には重要な薬物も含まれていますが、
近年新規に処方される薬は殆ど第二世代と第三世代なのでそれらを表にまとめました。
一般名
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商品名
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血中半減期
(hr)
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作用時間
(hr)
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一日使用量
(mg)
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薬効(参考)
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グリベンクラミド
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オイグルコン®
ダオニール®
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2.7
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12~24
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1.25~7.5
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強い
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グリクラシド
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グリミクロン®
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6~12
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6~24
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40~120
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弱い
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グリメピリド
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アマリール®
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1.5
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6~12
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1~6
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中
インスリン抵抗性改善作用あり
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作用機序としては、膵臓のランゲルハンス島β細胞の
SU受容体のSUR1サブユニットに結合し、
ATP依存性Kチャネルを抑制することによって、インスリン分泌を促進させます。
SUは経口投与可能であり、肝臓で代謝されます。
主な副作用は、インスリン過剰分泌による低血糖になります。
従って、交感神経機能が障害されている患者、意識障害がある患者、
低血糖を認識できない高齢者、
低血糖に対して適切に対応できない患者は慎重投与する必要があります。
また、グリベンクラミド及びグリメピリドは活性代謝物の腎排泄性が高いために、
糖尿病性腎症の進行に伴う腎機能低下により、遷延性の低血糖を起こしやすい。
従って、腎機能低下が認められた場合、
代謝物の活性が低いグリクラシドやミチグリニドカルシウム水和物、
超持続型以外のインスリンの自己注射への変更を考慮していく必要があります。
SU薬は基本的にはインスリン基礎分泌を促進する薬であるため
食前に低血糖を起こしやすく、
インスリン追加分泌を促進しないため
食後高血糖のコントロールが困難になりやすい傾向があります。
このためHbA1cといった平均値のみで効果判定を行うと
コントロール良好であったにも関わらず心筋梗塞といった
大血管障害が起こる可能性があります。
インスリン分泌を高めることは同化反応を亢進させ、
体重増加を起こしインスリン抵抗性を悪化させることもあります。
これも空腹時低血糖により過食となり食事療法が乱れた場合との
区別が難しいとされています。
第三世代のアマリール®は従来のSU薬が持つインスリン分泌作用のほか
インスリン抵抗性改善作用があると考えられており、
副作用による体重増加が少ない。
そのため、空腹時低血糖による食事療法の乱れなども発見しやすく
好まれる傾向があります。
次回は、速効型インスリン分泌促進薬、
フェニルアラニン誘導体(グリニド系)について解説します。
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