日本では、日本糖尿病学会1999年の診断基準を用いています。
空腹時の血糖または75g経口ブドウ糖負荷試験で診断します。
空腹時に126mg/dl以上の血糖があれば、
ブドウ糖負荷をしなくても糖尿病型と判定されます。
空腹時血糖(mg/dl)
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2時間後血糖(mg/dl)
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正常型
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110未満
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140未満
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境界型
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126未満
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200未満
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糖尿病型
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126以上
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200以上
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通常は判定を2回繰り返し、
2回とも糖尿病型であれば糖尿病と診断します。
口渇や多飲、多尿などの典型症状や、
糖尿病性網膜症が存在する場合や、
HbA1cが6.5%以上である場合は、
1回だけの判定で糖尿病と診断する場合もあります。
空腹時血糖110-126mg/dlをImpaired Fasting Glucose, IFGと呼び、
75g経口ブドウ糖負荷試験の2時間値が140-200mg/dlであるものを
耐糖能異常; ImpairedGlucose Tolerance, IGTと呼びます。
IGTはいわば「糖尿病予備軍」と言える病態であり、
臨床上の糖尿病との違いは合併症があるかないかという点でした。
しかし、現在、IGT患者にも神経障害、心筋梗塞、動脈硬化をはじめとした
合併症が出現することが知られており、
糖尿病とはっきり区別する意味は希薄になってきています。
糖尿病と診断したら、次に必要なのはどういった糖尿病であるのかを把握し、
それにも基づいた治療を考えることです。
これらを行うためには、糖尿病が発症した原因と引き金、
高血糖の程度と持続時間、合併症の程度を把握することが
重要であるとされています。
次回は、糖尿病の検査について解説していきます。
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