2013年10月8日火曜日

糖尿病の診断

今回は、糖尿病の診断についてお話していきたいと思います。


日本では、日本糖尿病学会1999年の診断基準を用いています。

空腹時の血糖または75g経口ブドウ糖負荷試験で診断します。

空腹時に126mg/dl以上の血糖があれば、

ブドウ糖負荷をしなくても糖尿病型と判定されます。



空腹時血糖(mg/dl
2時間後血糖(mg/dl
正常型
110未満
140未満
境界型
126未満
200未満
糖尿病型
126以上
200以上


通常は判定を2回繰り返し、

2回とも糖尿病型であれば糖尿病と診断します。


口渇多飲多尿などの典型症状や、

糖尿病性網膜症が存在する場合や、

HbA1cが6.5%以上である場合は、

1回だけの判定で糖尿病と診断する場合もあります。


空腹時血糖110-126mg/dlをImpaired Fasting Glucose, IFGと呼び、

75g経口ブドウ糖負荷試験の2時間値が140-200mg/dlであるものを

耐糖能異常; ImpairedGlucose Tolerance, IGTと呼びます。

IGTはいわば糖尿病予備軍と言える病態であり、

臨床上の糖尿病との違いは合併症があるかないかという点でした。

しかし、現在、IGT患者にも神経障害心筋梗塞動脈硬化をはじめとした

合併症が出現することが知られており、

糖尿病とはっきり区別する意味は希薄になってきています。


糖尿病と診断したら、次に必要なのはどういった糖尿病であるのかを把握し、

それにも基づいた治療を考えることです。

これらを行うためには、糖尿病が発症した原因と引き金、

高血糖の程度と持続時間、合併症の程度を把握することが

重要であるとされています。


次回は、糖尿病の検査について解説していきます。


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