インスリン抵抗性改善薬としては、
ビグアナイド剤 (BG薬)、チアゾリジン系誘導体(TZD薬)が知られています。
まずは、ビグアナイド剤(BG薬)についてお話していきますね~。
<ビグアナイド剤(BG薬)>
一般名
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商品名
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血中半減期
(hr)
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作用時間
(hr)
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一日使用量
(mg)
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メトホルミン塩酸塩
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メルビン®
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1.5~4.7
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6~14
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250~750
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ブホルミン塩酸塩
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ジベトス®
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3
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6~14
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50~150
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詳細な作用機序は不明ですが、肝臓に作用して糖新生を抑え、
筋肉での糖の取り込みを促進、
さらに腸管でのブドウ糖吸収を抑制すると考えられています。
分子標的は、AMP依存性プロテインキナーゼ(AMPPK)と考えられています。
インスリン抵抗性改善薬であるので、体重は不変から減少傾向となり、
食事療法の妨げになりません。
かつて、副作用である乳酸アシドーシス
(乳酸ピルビン酸が蓄積しやすくなるため)に対する懸念から、
あまり用いられることはありませんでした。
しかし、実際は乳酸アシドーシスの頻度は低いことが
英国でのUKPDSでの再評価によって判明しました。
乳酸アシドーシスを起こしやすい病態、
すなわち、肝障害、腎障害、心障害の既往がある患者には
使用をさけられています。
塩酸メトホルミンが主流です。
塩酸ブホルミンは、塩酸メトホルミンに比べて薬効が低く、
乳酸アシドーシスを起こしやすいと言われています。
2008年現在、インスリン抵抗性のある患者に広く使われるようになり、
TZDとの合剤も海外では販売されています。
その他の問題点は、軽度の胃腸障害ですが、
これは一時的なもので少量から開始し、ゆっくりと漸増すれば軽減できるようです。
発熱時、下痢など脱水のおそれがあるときは休薬し、
ヨード造影剤使用の際は、2日前から投与を中止する必要があります。
次回もインスリン抵抗性改善薬の続きを解説していきたいと思います。