糖尿病のまとめ
一応“薬剤師”であるハルちゃんパパが、“糖尿病”について誰にでもわかりやすく理解できるようにまとめたブログです。最近気になる方、すでに糖尿病で悩まれている方などの役に立てれば幸いです。
2014年11月12日水曜日
2013年11月25日月曜日
糖尿病の治療⑬(インスリン療法③)
今回は、インスリン療法のその他の療法についてお話していきたいと思います。
基礎インスリン分泌が保たれているような患者では、
速効型(または超速効型)インスリンの毎食前3回注射など
強化インスリン療法に準じた注射方法があります。
また、頻回のインスリン注射が困難な患者や強化インスリン療法が適応とならない患者では、
混合型または中間型の一日1回~2回投与という方法もあります。
具体的には、Nを朝食前に1回打ちにしたり、
混合型製剤を朝食前、夕食前の2回打ちにし、
食後血糖を抑えるためαグルコシターゼ阻害薬を併用したりするなどが
オーソドックスと言われています。
病棟などでは、インスリンスライディングスケールという方法をとることがあります。
これは各食前の血糖値に基づいてその時にうつインスリンを決定するという方法で、
短期間ならば良いが血糖の変動を激しくするので、
できることなら避けたほうが良いでしょう。
このような投与法でもインスリン量は0.2単位/kgにて開始し、
0.5単位/kgまで増量可能です。
中間型を2回打ちする場合は朝:夕を2:1または3:2の比率とすることが多く、
中間型インスリンが一日10単位以上の場合は一日2回と分けることが多いようです。
食事をしないIVHの患者では、高カロリー輸液にRを混ぜることもあります。
この場合はグルコース10gにつきR1単位から始めて
血糖を測定から至適量を決めていきます。
注意として、速効型インスリン以外の静注は禁止になります。
インスリン療法の注意点として、
インスリン療法の絶対的適応例では入院による導入が望ましいと言われていますが、
相対的適応例におけるインスリン療法の開始や、
経口血糖降下薬からの切り替えの場合は、外来で行うことが多いようです。
外来での導入に関しての危険性を評価するには、
・ケトーシスがないこと
・感染症や悪性腫瘍といった高血糖の原因となる他の疾患が存在しないこと
・網膜症(特に福田分類でBとなるもの)、腎機能低下といった進行した糖尿病慢性合併症が存在しないこと
・食事療法、インスリン注射、血糖自己測定といった自己管理能力があること
を確認することが望ましいです。
これらに該当するようならば、糖尿病専門医がいる施設や教育入院を用いないと、
外来でのコントロールは非常に危険です。
この際、インスリン量の調節のため外来を頻回にすることで対処することが多いようです。
次回は、糖尿病治療薬の治験について解説していきたいと思います。
基礎インスリン分泌が保たれているような患者では、
速効型(または超速効型)インスリンの毎食前3回注射など
強化インスリン療法に準じた注射方法があります。
また、頻回のインスリン注射が困難な患者や強化インスリン療法が適応とならない患者では、
混合型または中間型の一日1回~2回投与という方法もあります。
具体的には、Nを朝食前に1回打ちにしたり、
混合型製剤を朝食前、夕食前の2回打ちにし、
食後血糖を抑えるためαグルコシターゼ阻害薬を併用したりするなどが
オーソドックスと言われています。
病棟などでは、インスリンスライディングスケールという方法をとることがあります。
これは各食前の血糖値に基づいてその時にうつインスリンを決定するという方法で、
短期間ならば良いが血糖の変動を激しくするので、
できることなら避けたほうが良いでしょう。
このような投与法でもインスリン量は0.2単位/kgにて開始し、
0.5単位/kgまで増量可能です。
中間型を2回打ちする場合は朝:夕を2:1または3:2の比率とすることが多く、
中間型インスリンが一日10単位以上の場合は一日2回と分けることが多いようです。
食事をしないIVHの患者では、高カロリー輸液にRを混ぜることもあります。
この場合はグルコース10gにつきR1単位から始めて
血糖を測定から至適量を決めていきます。
注意として、速効型インスリン以外の静注は禁止になります。
インスリン療法の注意点として、
インスリン療法の絶対的適応例では入院による導入が望ましいと言われていますが、
相対的適応例におけるインスリン療法の開始や、
経口血糖降下薬からの切り替えの場合は、外来で行うことが多いようです。
外来での導入に関しての危険性を評価するには、
・ケトーシスがないこと
・感染症や悪性腫瘍といった高血糖の原因となる他の疾患が存在しないこと
・網膜症(特に福田分類でBとなるもの)、腎機能低下といった進行した糖尿病慢性合併症が存在しないこと
・食事療法、インスリン注射、血糖自己測定といった自己管理能力があること
を確認することが望ましいです。
これらに該当するようならば、糖尿病専門医がいる施設や教育入院を用いないと、
外来でのコントロールは非常に危険です。
この際、インスリン量の調節のため外来を頻回にすることで対処することが多いようです。
次回は、糖尿病治療薬の治験について解説していきたいと思います。
2013年11月19日火曜日
糖尿病の治療⑫(インスリン療法②)
今回は、強化インスリン療法についてお話していきたいと思います。
または、持続皮下インスリン注入(CSII)に血糖自己測定(SMBG)を併用し、
医師の指示に従い、患者自身がインスリン注射量を決められた範囲で調節しながら、
良好な血糖コントロールを目指す方法です。
基本的には、食事をしている患者では、
各食前、就寝前の一日四回血糖を測定し、
各食前に速効型インスリン(R)を就寝前に中間型インスリン(N)の
一日四回を皮下注にて始めます。
オーソドックスなやり方としては、各回3~4単位程度、一日12~16単位から始めます。
朝食前のRは昼食前の血糖を下げ、
昼食前のRは夕食前の血糖を下げ、
夕食前のRは就寝前の血糖を下げ、
就寝前のNは朝食前の血糖を下げると考えると分かりやすいかもしれません。
量を調節する場合は、2単位程度までの変更にとどめた方が安全です。
次回は、その他の療法について解説していきたいと思います。
<強化インスリン療法>
強化インスリン療法とは、インスリンの頻回注射になります。または、持続皮下インスリン注入(CSII)に血糖自己測定(SMBG)を併用し、
医師の指示に従い、患者自身がインスリン注射量を決められた範囲で調節しながら、
良好な血糖コントロールを目指す方法です。
基本的には、食事をしている患者では、
各食前、就寝前の一日四回血糖を測定し、
各食前に速効型インスリン(R)を就寝前に中間型インスリン(N)の
一日四回を皮下注にて始めます。
オーソドックスなやり方としては、各回3~4単位程度、一日12~16単位から始めます。
朝食前のRは昼食前の血糖を下げ、
昼食前のRは夕食前の血糖を下げ、
夕食前のRは就寝前の血糖を下げ、
就寝前のNは朝食前の血糖を下げると考えると分かりやすいかもしれません。
量を調節する場合は、2単位程度までの変更にとどめた方が安全です。
次回は、その他の療法について解説していきたいと思います。
2013年11月11日月曜日
糖尿病の治療⑪(インスリン療法①)
今回は、インスリン療法についてお話していきたいと思います。
まずは、インスリン療法の適応について説明します。
インスリン療法の適応は以下の通りです。
・インスリン依存状態であるとき
・糖尿病性昏睡(糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、乳酸アシドーシス)であるとき
・重症の肝障害、腎障害を合併する時
・重症感染症、外傷、中等度以上の外科手術(全身麻酔施行例など)のとき
・糖尿病合併妊娠(妊娠糖尿病で食事療法だけでは良好な血糖コントロールが得られない場合も含む)
・中心静脈栄養時の血糖コントロール
<インスリン療法の相対的適応>
・インスリン非依存状態の例でも著明な高血糖(例えば、空腹時血糖値250mg/dl以上、随時血糖値350mg/dl以上)を認める場合
・経口薬療法では良好な血糖コントロールが得られない場合(スルホニルウレア剤の一次無効、二次無効など)
・やせ型で栄養状態が低下している場合
・ブドウ糖毒性を積極的に解除する場合
インスリンの適応から外れた場合は、
軽症か重症かによって治療方法が若干異なります。
インスリン療法としては、強化インスリン療法とその他の治療法に分けられます。
まずはインスリンの適応があるかどうかを判断します。
インスリンの適応があると判断したら、
患者の状態を把握し、インスリン強化療法を行うのか、
それともその他の治療法を行うのかを判断します。
インスリン療法の基本は、
健常者にみられる血中インスリンの変動パターンを
インスリン注射によって模倣することです。
健常者のインスリン分泌は、基礎インスリン分泌と、
食事後のブドウ糖やアミノ酸刺激による追加インスリン分泌からなっています。
これをもっともよく再現できるのは強化インスリン療法ですが、
手技が煩雑であるのがネックになります。
今後の糖尿病管理も強化インスリン療法を行うのであれば、
患者教育なども行い導入する価値はありますが、
手術や処置で一時的に経口血糖降下薬を用いられないという場合、
生活スタイルから強化インスリン療法を行うのが不可能な場合は、
その他の療法が選択されます。
次回は、今回の続きで、より詳しく解説していきたいと思います。
まずは、インスリン療法の適応について説明します。
インスリン療法の適応は以下の通りです。
<インスリン療法の絶対的適応>
・インスリン依存状態であるとき
・糖尿病性昏睡(糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、乳酸アシドーシス)であるとき
・重症の肝障害、腎障害を合併する時
・重症感染症、外傷、中等度以上の外科手術(全身麻酔施行例など)のとき
・糖尿病合併妊娠(妊娠糖尿病で食事療法だけでは良好な血糖コントロールが得られない場合も含む)
・中心静脈栄養時の血糖コントロール
<インスリン療法の相対的適応>
・インスリン非依存状態の例でも著明な高血糖(例えば、空腹時血糖値250mg/dl以上、随時血糖値350mg/dl以上)を認める場合
・経口薬療法では良好な血糖コントロールが得られない場合(スルホニルウレア剤の一次無効、二次無効など)
・やせ型で栄養状態が低下している場合
・ブドウ糖毒性を積極的に解除する場合
インスリンの適応から外れた場合は、
軽症か重症かによって治療方法が若干異なります。
インスリン療法としては、強化インスリン療法とその他の治療法に分けられます。
まずはインスリンの適応があるかどうかを判断します。
インスリンの適応があると判断したら、
患者の状態を把握し、インスリン強化療法を行うのか、
それともその他の治療法を行うのかを判断します。
インスリン療法の基本は、
健常者にみられる血中インスリンの変動パターンを
インスリン注射によって模倣することです。
健常者のインスリン分泌は、基礎インスリン分泌と、
食事後のブドウ糖やアミノ酸刺激による追加インスリン分泌からなっています。
これをもっともよく再現できるのは強化インスリン療法ですが、
手技が煩雑であるのがネックになります。
今後の糖尿病管理も強化インスリン療法を行うのであれば、
患者教育なども行い導入する価値はありますが、
手術や処置で一時的に経口血糖降下薬を用いられないという場合、
生活スタイルから強化インスリン療法を行うのが不可能な場合は、
その他の療法が選択されます。
次回は、今回の続きで、より詳しく解説していきたいと思います。
2013年11月7日木曜日
糖尿病の治療⑩(薬物療法⑦)
今回は、ペプチジルペプチダーゼ4 (DPP4) 阻害剤という
新しいジャンルの経口血糖降下薬についてお話していきたいと思います。
消化管ホルモンで、グルコース依存性にインスリン分泌を促す
インクレチンというホルモンがあります。
ペプチジルペプチダーゼ4 (DPP4) 阻害剤は、
インクレチンの分解酵素であるDPP-IVを阻害する事で、
インクレチンの血中濃度を上昇させ、
その結果インスリン分泌が促進されます。
GLP-1には胃排泄能低下作用があり、血糖上昇が穏やかになり、
インスリンを産生するランゲルハンス島β細胞の増殖を
促すのではないかと期待されています。
低血糖の副作用は少ないようです。
次回は、インスリン療法について解説していきたいと思います。
新しいジャンルの経口血糖降下薬についてお話していきたいと思います。
消化管ホルモンで、グルコース依存性にインスリン分泌を促す
インクレチンというホルモンがあります。
ペプチジルペプチダーゼ4 (DPP4) 阻害剤は、
インクレチンの分解酵素であるDPP-IVを阻害する事で、
インクレチンの血中濃度を上昇させ、
その結果インスリン分泌が促進されます。
GLP-1には胃排泄能低下作用があり、血糖上昇が穏やかになり、
インスリンを産生するランゲルハンス島β細胞の増殖を
促すのではないかと期待されています。
低血糖の副作用は少ないようです。
一般名
|
商品名
|
血中半減期
(hr)
|
一日使用量
(mg)
|
特徴的な禁忌
・慎重投与
|
シタグリプチン
|
グラクティブ®
ジャヌビア®
|
9.6~12.3
|
50~100
|
(慎)中等度以上の腎機能障害
|
ビルダグリプチン
|
エクア®
|
1.77~3.95
|
50~100
|
(禁)重度肝機能障害
(慎)肝機能障害・中等度以上の腎機能障害・心不全
|
アログリプチン
|
ネシーナ®
|
17.1
|
25
|
(慎)中等度以上の腎機能障害・心不全
|
リナグリプチン
|
トラゼンタ®
|
96.9~113
|
5
|
特になし
|
テネリグリプチン
|
テネリア®
|
17.4~30.2
|
20~40
|
(慎)高度肝機能障害・心不全
|
アナグリプチン
|
スイニー®
|
α相1.87~2.02
β相5.75~6.20 |
100~200
|
(慎)重度腎機能障害
|
サキサグリプチン
|
オングリザ®
|
6.0~6.8
|
2.5~5
|
特になし
|
次回は、インスリン療法について解説していきたいと思います。
2013年11月3日日曜日
糖尿病の治療⑨(薬物療法⑥)
今回も、インスリン抵抗性改善薬についてお話していきたいと思います。
<チアゾリジン系誘導体(TZD薬)>
ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ (PPAR‐γ) 作働薬や
インスリン抵抗性改善薬とも呼ばれています。
核内受容体のひとつであるPPAR-γに結合し、
インスリンの抵抗性を悪化させる様々な因子の転写調節をする作用があります。
主として末梢組織のインスリン抵抗性改善に用います。
有効性及び安全性に性差を認め、女性で浮腫を来し易い一方で、
小用量で血糖降下作用を見る事が多いようです。
脂肪細胞に作用しブドウ糖の取り込みを増やす事で血糖が低下するが、
その代わり肥満を助長しやすくなります。
塩酸ピオグリタゾン(商品名:アクトス®)だけが現在、国内で上市されています。
最初に商品化されたトログリタゾン(商品名:ノスカール®)は肝障害の死亡例が相次ぎ、
その原因の一つとして肝臓での薬の代謝に関わる
グルタチオン抱合酵素GSTT1とGSTM1の変異が重なると
特に副作用の発症率が高い事が示されました。
類薬ではトログリタゾン程の肝障害は報告されていませんが、
留意して使用するのが望まれます。
副作用として浮腫や貧血を合併することがありますが、
腎でのインスリン感受性亢進のため、
Naの再吸収を促進するためだといわれています。
脂肪細胞を分化誘導する一方で
骨芽細胞の減少により骨折のリスクが増加するのではないかと言われています。
副作用に浮腫があるために、心不全の既往がある患者には禁忌となります。
浮腫が出現しなくとも、効果が出ると体重が増加する傾向があるため、
食事療法のコントロールに気をつける必要があります。
大血管障害の既往を有する2型糖尿病患者に対して、
心血管イベントの発症の抑制、
およびインスリン治療の導入を遅らせるという欧州での成績があるようです。
次回は、ペプチジルペプチダーゼ4 (DPP4) 阻害剤について解説していきたいと思います。
<チアゾリジン系誘導体(TZD薬)>
一般名
|
商品名
|
血中半減期
(hr)
|
作用時間
(hr)
|
一日使用量
(mg)
|
ピオグリタゾン塩酸塩
|
アクトス®
|
5
|
20
|
15~45
|
ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体γ (PPAR‐γ) 作働薬や
インスリン抵抗性改善薬とも呼ばれています。
核内受容体のひとつであるPPAR-γに結合し、
インスリンの抵抗性を悪化させる様々な因子の転写調節をする作用があります。
主として末梢組織のインスリン抵抗性改善に用います。
有効性及び安全性に性差を認め、女性で浮腫を来し易い一方で、
小用量で血糖降下作用を見る事が多いようです。
脂肪細胞に作用しブドウ糖の取り込みを増やす事で血糖が低下するが、
その代わり肥満を助長しやすくなります。
塩酸ピオグリタゾン(商品名:アクトス®)だけが現在、国内で上市されています。
最初に商品化されたトログリタゾン(商品名:ノスカール®)は肝障害の死亡例が相次ぎ、
その原因の一つとして肝臓での薬の代謝に関わる
グルタチオン抱合酵素GSTT1とGSTM1の変異が重なると
特に副作用の発症率が高い事が示されました。
類薬ではトログリタゾン程の肝障害は報告されていませんが、
留意して使用するのが望まれます。
副作用として浮腫や貧血を合併することがありますが、
腎でのインスリン感受性亢進のため、
Naの再吸収を促進するためだといわれています。
脂肪細胞を分化誘導する一方で
骨芽細胞の減少により骨折のリスクが増加するのではないかと言われています。
副作用に浮腫があるために、心不全の既往がある患者には禁忌となります。
浮腫が出現しなくとも、効果が出ると体重が増加する傾向があるため、
食事療法のコントロールに気をつける必要があります。
大血管障害の既往を有する2型糖尿病患者に対して、
心血管イベントの発症の抑制、
およびインスリン治療の導入を遅らせるという欧州での成績があるようです。
次回は、ペプチジルペプチダーゼ4 (DPP4) 阻害剤について解説していきたいと思います。
2013年10月30日水曜日
糖尿病の治療⑧(薬物療法⑤)
今回は、インスリン抵抗性改善薬についてお話していきたいと思います。
インスリン抵抗性改善薬としては、
ビグアナイド剤 (BG薬)、チアゾリジン系誘導体(TZD薬)が知られています。
まずは、ビグアナイド剤(BG薬)についてお話していきますね~。
<ビグアナイド剤(BG薬)>
詳細な作用機序は不明ですが、肝臓に作用して糖新生を抑え、
筋肉での糖の取り込みを促進、
さらに腸管でのブドウ糖吸収を抑制すると考えられています。
分子標的は、AMP依存性プロテインキナーゼ(AMPPK)と考えられています。
インスリン抵抗性改善薬であるので、体重は不変から減少傾向となり、
食事療法の妨げになりません。
かつて、副作用である乳酸アシドーシス
(乳酸ピルビン酸が蓄積しやすくなるため)に対する懸念から、
あまり用いられることはありませんでした。
しかし、実際は乳酸アシドーシスの頻度は低いことが
英国でのUKPDSでの再評価によって判明しました。
乳酸アシドーシスを起こしやすい病態、
すなわち、肝障害、腎障害、心障害の既往がある患者には
使用をさけられています。
塩酸メトホルミンが主流です。
塩酸ブホルミンは、塩酸メトホルミンに比べて薬効が低く、
乳酸アシドーシスを起こしやすいと言われています。
2008年現在、インスリン抵抗性のある患者に広く使われるようになり、
TZDとの合剤も海外では販売されています。
その他の問題点は、軽度の胃腸障害ですが、
これは一時的なもので少量から開始し、ゆっくりと漸増すれば軽減できるようです。
発熱時、下痢など脱水のおそれがあるときは休薬し、
ヨード造影剤使用の際は、2日前から投与を中止する必要があります。
次回もインスリン抵抗性改善薬の続きを解説していきたいと思います。
インスリン抵抗性改善薬としては、
ビグアナイド剤 (BG薬)、チアゾリジン系誘導体(TZD薬)が知られています。
まずは、ビグアナイド剤(BG薬)についてお話していきますね~。
<ビグアナイド剤(BG薬)>
一般名
|
商品名
|
血中半減期
(hr)
|
作用時間
(hr)
|
一日使用量
(mg)
|
メトホルミン塩酸塩
|
メルビン®
|
1.5~4.7
|
6~14
|
250~750
|
ブホルミン塩酸塩
|
ジベトス®
|
3
|
6~14
|
50~150
|
詳細な作用機序は不明ですが、肝臓に作用して糖新生を抑え、
筋肉での糖の取り込みを促進、
さらに腸管でのブドウ糖吸収を抑制すると考えられています。
分子標的は、AMP依存性プロテインキナーゼ(AMPPK)と考えられています。
インスリン抵抗性改善薬であるので、体重は不変から減少傾向となり、
食事療法の妨げになりません。
かつて、副作用である乳酸アシドーシス
(乳酸ピルビン酸が蓄積しやすくなるため)に対する懸念から、
あまり用いられることはありませんでした。
しかし、実際は乳酸アシドーシスの頻度は低いことが
英国でのUKPDSでの再評価によって判明しました。
乳酸アシドーシスを起こしやすい病態、
すなわち、肝障害、腎障害、心障害の既往がある患者には
使用をさけられています。
塩酸メトホルミンが主流です。
塩酸ブホルミンは、塩酸メトホルミンに比べて薬効が低く、
乳酸アシドーシスを起こしやすいと言われています。
2008年現在、インスリン抵抗性のある患者に広く使われるようになり、
TZDとの合剤も海外では販売されています。
その他の問題点は、軽度の胃腸障害ですが、
これは一時的なもので少量から開始し、ゆっくりと漸増すれば軽減できるようです。
発熱時、下痢など脱水のおそれがあるときは休薬し、
ヨード造影剤使用の際は、2日前から投与を中止する必要があります。
次回もインスリン抵抗性改善薬の続きを解説していきたいと思います。
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