今回は、糖尿病治療における薬物療法についてお話していきます。
糖尿病治療で用いられる経口血糖降下薬(OHA: oral hypoglycemic agent)は、
2型糖尿病において血糖値を正常化させることで
慢性合併症のリスクを軽減させる目的にて処方される薬物の総称です。
1994年までは米国でも使用できた薬物はインスリン分泌促進薬のみであったものの、
2008年現在、日本では
① インスリン分泌促進薬
② 速効型インスリン分泌促進薬
③ ブドウ糖吸収阻害薬
④ インスリン抵抗性改善薬
という4種類の薬物が入手可能になりました。
インスリン分泌促進薬としてはスルホニルウレア剤 (SU薬)、
速効型インスリン分泌促進薬としてはフェニルアラニン誘導体、
ブドウ糖吸収阻害薬としてはαグルコシダーゼ阻害剤 (αGI薬)、
インスリン抵抗性改善薬としてはビグアナイド剤 (BG薬)、
チアゾリジン系誘導体(TZD薬)が知られています。
また最近、ペプチジルペプチダーゼ4 (DPP4) 阻害剤という
新しいジャンルの治療薬が登場しています。
日本では2009年10月にαGI薬のひとつ、ベイスン®が、
糖尿病発症予防の保険適応を取得しています。
次回から、経口血糖降下薬のそれぞれについて解説していきたいと思います。
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