2013年9月25日水曜日

糖尿病の分類③(2型糖尿病)

今回も前回からの続きで、

“2型糖尿病についてお話していきたいと思います。 



2型糖尿病(にがたとうにょうびょう)は、

インスリン分泌低下と感受性低下の二つを原因とする糖尿病になります。 

一般的に「生活習慣が悪かったので糖尿病になりました」と言う場合、

この2型糖尿病を指します。

欧米では、感受性低下(インスリン抵抗性が高い状態)のほうが原因として強い影響をしめすが、

日本では、膵臓のインスリン分泌能低下も重要な原因になります。

少なくとも初期には、前者では太った糖尿病

後者ではやせた糖尿病になります。

遺伝的因子と生活習慣がからみあって発症する生活習慣病で、

日本では糖尿病全体の9割を占めています。 


発症率を変動させる要因として、

「マグネシウム摂取量が関与している」との報告があり、

インスリン抵抗性、慢性炎症、飲酒習慣を有する患者では、

摂取量の上昇が発症抑制に効果があるとされています。

 しかし、一方で、マグネシウム摂取量と

糖尿病発症との関連なしとの報告もあります。

(今現在では、正直よくわからん。と、いったところです。)

 2型糖尿病が発症する原因は完全に明らかではありませんが、

大筋を言うと、

遺伝的に糖尿病になりやすい体質(遺伝因子)の人が、

糖尿病になりやすいような生活習慣を送ること(環境因子)によって

2型糖尿病になると考えられています。 


遺伝的な原因としては、

KCNQ2、PPARG、KCNJ11、TCF2L7などといった遺伝子上の配列の違いによって、

同じような生活習慣を送っていても、

ある人は糖尿病が起こりやすく、

別の人は起こりにくくなるという違いがあることがわかってきています。

 また、日本で欧米と比較して多く見られる

インスリン分泌能低下を主要因とするやせ型糖尿病の原因遺伝子として

KCNJ15が挙げられていて、

日本人において発見されたこの遺伝子上の危険因子となる配列は

欧米人にはきわめてまれであると報告されています。


一方、糖尿病になりやすくなる環境因子としては、

圧倒的な危険因子として肥満が挙げられるほか、

喫煙運動不足などがあります。 

慢性に高血糖が持続すると、

膵β細胞機能が障害されると共に、

過剰な血糖をグリコーゲンに転換して蓄える筋肉や、

肝臓、脂肪に転換して蓄える脂肪組織においても

インスリン抵抗性が生じて更なる高血糖をもたらし、

これがインスリン分泌不全、インスリン抵抗性を更に増悪させ、

糖尿病状態を一層悪化させる状態が糖毒性として取り上げられています。

 さらに血中遊離脂肪酸の上昇がみられる肥満では

肥大した脂肪細胞から種々のサイトカインや脂肪酸が分泌され、

遊離脂肪酸が膵β細胞機能を障害すると共に、

インスリン抵抗性が増強される状態が脂肪毒性として取り上げられています。



今回のお話は少し専門用語も出てきているので、

難しく感じるかもしれませんね。 


次回は、1型2型以外の糖尿病について解説していきたいと思います。



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