今回は、“糖尿病”の分類についてお話していきたいと思います。
血液中のブドウ糖濃度(血糖値、血糖)は、
様々なホルモン(インスリン、グルカゴン、コルチゾールなど)の働きによって、
正常では常に一定範囲内に調節されています。
いろいろな理由によってこの調節機構が破綻すると、
血液中の糖分が異常に増加し、糖尿病になります。
糖尿病は大きく1型と2型にわけられますが、
これはこの調節機構の破綻の様式の違いを表しています。
“1型糖尿病”では、膵臓のβ細胞が何らかの理由によって破壊されることで、
血糖値を調節するホルモンの一つであるインスリンが枯渇してしまい、
高血糖、糖尿病へと至ります。
一方、“2型糖尿病”では、血中にインスリンは存在するが、
肥満などを原因としてインスリンの働きが悪くなるか、
あるいは自己免疫的に破壊された訳ではないが、
膵臓のβ細胞からのインスリン分泌量が減少し、
結果として血糖値の調整がうまくいかず糖尿病となります。
その他にも、妊娠糖尿病をはじめとして発症機序の違いに基づくいくつかの病名があって、
これらをひとまとめにしている糖尿病は、
病名というより“症候群”と言ったほうが適切かもしれません。
次回は、今回の続きで、糖尿病の分類の詳細について解説していきたいと思います。
(次回は1型糖尿病の解説です。)
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