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2013年10月9日水曜日

糖尿病の検査

今回は、“糖尿病の検査”についてお話していきたいと思います。

糖尿病の検査で主だったものといえば、

「血糖値」と「ヘモグロビンA1c(HbA1c)」の2検査かと思います。


<血糖値>


血糖値は、食事を食べたり運動をしたりすることで容易に変動します。

朝起きてから食事を摂らず測定した空腹時血糖と、

どんな時に測ってもよい随時血糖が評価の対象になります。

常用負荷血糖(普段の食事をして測定した血糖)では、

食事開始(箸をつけて)から1時間後の

Post Prandial Glycemia 1hr(PPG1hr)がピークとなることが多いとされ、

有望視されています。


<ヘモグロビンA1c(HbA1c)>


過去1~2ヶ月の血糖値の平均値を表すとされています。

HbA1c 6.5%未満をコントロール良好とします。

食生活による変動が激しいことも知られており、

最近過食気味といったエピソードがあるだけで、

糖尿病の診断で偽陽性と診断されてしまうこともあります。

肝硬変、溶血の患者では低めに出ることが知られており、

その場合はグルコアルブミン(直近2週間程度の血糖値の平均値)を

代用することがあります。

HbA1cは5.8%以下で正常、

6.5%以上で糖尿病と言われていますが、

OGTTに基づく診断では、

正常型、境界型、糖尿病型の各型とも

広範囲に分布するためoverlapすることが多く、

境界型糖尿病の診断や糖尿病の否定などには

用いることができないと言われています。

5.8%より大きい値が出たら境界型糖尿病なども疑い精査する必要があります。


次回から糖尿病の治療について解説していきます。


2013年10月8日火曜日

糖尿病の診断

今回は、糖尿病の診断についてお話していきたいと思います。


日本では、日本糖尿病学会1999年の診断基準を用いています。

空腹時の血糖または75g経口ブドウ糖負荷試験で診断します。

空腹時に126mg/dl以上の血糖があれば、

ブドウ糖負荷をしなくても糖尿病型と判定されます。



空腹時血糖(mg/dl)
2時間後血糖(mg/dl)
正常型
110未満
140未満
境界型
126未満
200未満
糖尿病型
126以上
200以上


通常は判定を2回繰り返し、

2回とも糖尿病型であれば糖尿病と診断します。


口渇や多飲、多尿などの典型症状や、

糖尿病性網膜症が存在する場合や、

HbA1cが6.5%以上である場合は、

1回だけの判定で糖尿病と診断する場合もあります。


空腹時血糖110-126mg/dlをImpaired Fasting Glucose, IFGと呼び、

75g経口ブドウ糖負荷試験の2時間値が140-200mg/dlであるものを

耐糖能異常; ImpairedGlucose Tolerance, IGTと呼びます。

IGTはいわば「糖尿病予備軍」と言える病態であり、

臨床上の糖尿病との違いは合併症があるかないかという点でした。

しかし、現在、IGT患者にも神経障害、心筋梗塞、動脈硬化をはじめとした

合併症が出現することが知られており、

糖尿病とはっきり区別する意味は希薄になってきています。


糖尿病と診断したら、次に必要なのはどういった糖尿病であるのかを把握し、

それにも基づいた治療を考えることです。

これらを行うためには、糖尿病が発症した原因と引き金、

高血糖の程度と持続時間、合併症の程度を把握することが

重要であるとされています。


次回は、糖尿病の検査について解説していきます。


2013年10月7日月曜日

糖尿病の症状・合併症②

今回は、前回の続きで、糖尿病の症状と合併症について

お話していきたいと思います。 


<糖尿病神経障害> 

糖尿病発症から5年ほどで末梢神経に障害が起こり始めます。

手や足先のしびれ、冷感、感覚異常などの症状に加え、

痛みや熱に対する感覚が鈍くなることにより、

手足のやけどや傷、水虫などに気づきにくくなり、

重症化して壊疽(えそ)にまで至ることもあります。

その他、起立性低血圧(立ちくらみ)や発汗異常、

胃腸の不調(便秘、下痢など)、膀胱機能障害、勃起障害(ED)などの

自律神経障害による症状も現れます。


<糖尿病網膜症> 

目の網膜には毛細血管が網目状にはりめぐらされています。

血糖値が高い状態が続くと毛細血管がつまるなどして

網膜への酸素や栄養分の供給が不足などにより初期病変が発症します。

高度に進行すると、黄斑症を起こしたり、

血管新生による眼底出血や硝子体出血を起こします。

初期には自覚症状はほとんど現れませんが、

進行すると失明に至ることもあります。

早期発見および早期治療が重要であり、

糖尿病と診断された場合は同時に眼科を受診し、

その後も定期的に眼科での検査を継続することが必要です。


 <糖尿病腎症> 

腎臓の糸球体は尿の生成にかかわる重要な部位であり

毛細血管が密集しています。

血糖値が高い状態が10~15年間続くと

次第に毛細血管が変性し、

血液の濾過(ろか)機能が障害され、

糖尿病腎症を発症すると言われています。

進行すると腎不全を起こし、透析が必要になることもあります。

糖尿病腎症は、

わが国における維持透析(血液透析・腹膜透析)導入の原因疾患の第1位であり、

患者さんの数は年々増加しています。


<大血管症(動脈硬化性疾患)> 

糖尿病患者さんでは、糖尿病を発症する前から

動脈硬化が始まっていると言われています。

糖尿病発症後さらに動脈硬化が促進することにより、

心筋梗塞、脳梗塞、下肢の閉塞性動脈硬化症などの

大血管症を発症します。

高血圧や脂質異常症(高脂血症)、肥満、喫煙なども

動脈硬化性疾患を発症する危険性を高めるため、

糖尿病患者さんでは血糖値のコントロールはもちろん、

これらの疾患の治療および生活習慣の改善も重要です。


 <糖尿病足病変> 

血糖値が高い状態が続いて下肢の血行や神経に障害が起こると、

痛みなどに対する感覚が鈍くなります。

足に水虫や小さな傷などがある場合、

その傷に気づかずに放置することになり、

細菌感染が広がって皮膚潰瘍や壊疽(えそ)が起こります。 

これらは膝から下に起こることが多く、

重症化すると足を切断しなければならないこともあります。

日頃から足をよく観察し、家族などにも見てもらい、

足を常に清潔に保つことが重要です。


<歯周病> 

歯周病は、歯周病菌が歯周組織に感染して起こる慢性的な感染症です。

血糖値が高い状態では歯周病菌の増殖を抑える力が弱くなるため、

糖尿病患者さんでは歯周病の重症化がしばしばみられます。

歯周病は心筋梗塞などの動脈硬化性疾患や感染性心内膜炎、

呼吸器疾患などの誘因にもなるため、注意が必要です。



初期症状では自覚症状が全くわからないですが、

合併症を併発するとこんなにも重篤な症状になるんですね。

とても恐ろしいです・・・。


次回は、糖尿病の診断について解説していきます。




2013年10月5日土曜日

糖尿病の症状・合併症①

今回は、糖尿病の症状と合併症についてお話していきたいと思います。


通常、糖尿病患者は自覚症状がないと考えられています。

しかし、よくよく話を聞いてみると、

下記に列挙するような手足のしびれや便秘などが実はあるようで、

特別な症状と考えていないことがあります。

血糖値がかなり高くなってくると、

口渇・多飲・多尿という明白な典型的症状が生じるようになります。

これらは血糖値が高いということをそのまま反映した症状なので、

治療により血糖値が低下すると、これらの症状は収まってきます。

血糖値がさらに高くなると、

重篤な糖尿病性昏睡を来たし、

意識障害、腹痛などをきたすこともあります。


一方、発症初期の血糖高値のみで、

こむら返りなどの特異的な神経障害がおこることがあります。

また、発症初期に急激に血糖値が上昇した場合、

体重が減少することが多いようです。

(血液中に糖分が多い一方、脂肪細胞などは糖分が枯渇した状態になるため。)


その他の症状は、たいてい糖尿病慢性期合併症にもとづくものになります。

・ “糖尿病性網膜症”を発症すると視力が低下する。

・ “糖尿病性腎症”によって最終的にはむくみや乏尿、全身倦怠感など種々の症状が
  出現する。

・ “糖尿病性神経障害”には2種類あって、末梢神経障害によって手足のしびれ

  などが起り、一方、自律神経障害がおこると便秘、立ちくらみ、勃起不全などの原因と

  なります。

・ 糖尿病は皮膚にも糖尿病性リポイド類壊死をはじめとする様々な合併症を

  引き起こすことがあって、それに伴う症状が出現することがあります。

これらのような糖尿病に典型的な合併症に加えて、

心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症、脳梗塞も糖尿病においては極めて起こりやすいので、

それらの病気に由来する症状を起こすことがあります。


次回は、今回の続きで、合併症の詳細について解説していきます。



2013年10月3日木曜日

糖尿病の分類⑥(妊娠糖尿病)

今回は前回の続きで、1型、2型糖尿病以外の糖尿病ということで、

“妊娠糖尿病”についてお話していきたいと思います。 


妊娠糖尿病は、妊娠中のみ血糖値が異常となる症状を言います。 

2型糖尿病とは異なる病気であることに注意を要します。

(必ずしも「生活習慣の悪い妊婦」がなるわけではありません。)

原因としては、妊娠中に増加するホルモンである

hPLやエストロゲン、プロゲステロンなどが

インスリン抵抗性を悪化させることに因ります。 

一般には、出産後に改善します。 


一方、元々糖尿病患者が妊娠した場合は、

糖尿病合併妊娠と呼ばれます。 

とは言え、元々糖尿病であったかどうかを

完全に確認できているわけではなく、

妊娠糖尿病で発症し、

分娩後もそのまま糖尿病が治らないこともままあるようです。


基本的に食事療法が行われますが、

改善しない場合、後述の胎児へのリスクもあり、

また飲み薬は催奇形性の懸念があるため、

インスリン注射療法を行うことになります。

胎児への影響があるため、通常時より厳格な管理を必要とし、

六分食やインスリン持続皮下注などを行うこともあります。

妊娠糖尿病では先天異常のリスクが高まるが、

妊娠初期から正常血糖を保っていれば、通常の妊娠と同等です。 


早産も多く、羊水過多、妊娠高血圧症候群の頻度も高い

ハイリスク妊娠のひとつです。

妊娠糖尿病では巨大児になりやすいため、

難産になりやすいようです。 

また、妊娠糖尿病では中枢神経系よりも身体の発育が良いので、

出産のときに頭が通っても肩が通らない肩甲難産になりやすく、

そのため、分娩が長引く場合は帝王切開が良いとされています。


6回に分けて各糖尿病についてお話してきましたが、如何でしたか?

糖尿病と言っても、こんなに種類があるんですね。


次回は、糖尿病の症状や合併症について解説していきたいと思います。



2013年9月30日月曜日

糖尿病の分類⑤(続発性糖尿病&ステロイド糖尿病)

今回は前回の続きで、1型、2型糖尿病以外の糖尿病ということで、

“続発性糖尿病”と“ステロイド糖尿病”についてお話していきたいと思います。 


<続発性糖尿病> 

続発性糖尿病(ぞくはつせいとうにょうびょう、二次性糖尿病)は、

他の疾患によって引き起こされる糖尿病です。


以下に挙げたものは代表的な疾患で、ほかにも原因となる疾患は存在します。

   ・ グルカゴンを異常分泌するグルカゴン産生腫瘍

   ・ 糖質コルチコイド(ステロイド)作用が異常増加するクッシング症候群、原発性アルドステロン症

   ・ アドレナリンを異常分泌する褐色細胞腫

   ・ 成長ホルモンを異常分泌する成長ホルモン産生腫瘍(先端巨大症)

   ・ 肝硬変 ・慢性膵炎、ヘモクロマトーシス、膵癌

   ・ 筋緊張性ジストロフィー ・薬剤性(サイアザイド系利尿薬、フェニトイン、糖質コルチコイドなど)


 <ステロイド糖尿病> 

ステロイド糖尿病は、

膠原病などでステロイドを長期に内服したことによって

生じる続発性糖尿病です。 


ステロイド(糖質コルチコイド)作用の、

肝臓の糖新生亢進作用、

末梢組織のインスリン抵抗性の亢進、

食欲増進作用が関わっているとされています。

ステロイドを減量すれば軽快し、

ステロイド糖尿病では通常の糖尿病と異なり、

網膜症などの血管合併症が起こりにくいとされています。 

食後高血糖のパターンをとることが多く、

入院中ならばインスリンやαGIといった経口剤を用いることが多いようです。


 次回は、妊婦さんがなりやすい妊娠糖尿病について解説していきたいと思います。



2013年9月26日木曜日

糖尿病の分類④(遺伝子異常)


今回は、1型2型以外の糖尿病、

中でも遺伝子異常による糖尿病についてお話していきたいと思います。



 1型、2型の糖尿病は、その原因が完全に明らかである訳ではありません。


 一方、この項目に分類される疾患は、

特定の遺伝子の機能異常によって糖尿病が発症している、

という原因がわかっている糖尿病です。


頻度は極めて稀で、いずれも比較的若年(一般的に25歳以下)に発症し、

1型ほど重症ではなく、強い家族内発症がみられるという特徴がありますが、

臨床所見は大きく異なっているようです。


  ・  若年発症成人型糖尿病

  ・  ミトコンドリア遺伝子異常 

  ・  インスリン受容体異常症 

  ・  インスリン自体の遺伝子異常 


いずれも診断にはゲノムDNAやミトコンドリアDNAを検体とした

特殊な検査が必要になります。


今回も専門用語が多く申し訳ありません。 


「すごく稀だけど、1型、2型の糖尿病以外に

遺伝子異常が原因で糖尿病になる場合もあるんだ。」 と、

いった具合に思っていただければ十分かと思います。 



次回は、続発性糖尿病とステロイド糖尿病について解説していきたいと思います。



2013年9月25日水曜日

糖尿病の分類③(2型糖尿病)

今回も前回からの続きで、

“2型糖尿病”についてお話していきたいと思います。 



2型糖尿病(にがたとうにょうびょう)は、

インスリン分泌低下と感受性低下の二つを原因とする糖尿病になります。 

一般的に「生活習慣が悪かったので糖尿病になりました」と言う場合、

この2型糖尿病を指します。

欧米では、感受性低下(インスリン抵抗性が高い状態)のほうが原因として強い影響をしめすが、

日本では、膵臓のインスリン分泌能低下も重要な原因になります。

少なくとも初期には、前者では太った糖尿病、

後者ではやせた糖尿病になります。

遺伝的因子と生活習慣がからみあって発症する生活習慣病で、

日本では糖尿病全体の9割を占めています。 


発症率を変動させる要因として、

「マグネシウム摂取量が関与している」との報告があり、

インスリン抵抗性、慢性炎症、飲酒習慣を有する患者では、

摂取量の上昇が発症抑制に効果があるとされています。

 しかし、一方で、マグネシウム摂取量と

糖尿病発症との関連なしとの報告もあります。

(今現在では、正直よくわからん。と、いったところです。)

 2型糖尿病が発症する原因は完全に明らかではありませんが、

大筋を言うと、

遺伝的に糖尿病になりやすい体質(遺伝因子)の人が、

糖尿病になりやすいような生活習慣を送ること(環境因子)によって

2型糖尿病になると考えられています。 


遺伝的な原因としては、

KCNQ2、PPARG、KCNJ11、TCF2L7などといった遺伝子上の配列の違いによって、

同じような生活習慣を送っていても、

ある人は糖尿病が起こりやすく、

別の人は起こりにくくなるという違いがあることがわかってきています。

 また、日本で欧米と比較して多く見られる

インスリン分泌能低下を主要因とするやせ型糖尿病の原因遺伝子として

KCNJ15が挙げられていて、

日本人において発見されたこの遺伝子上の危険因子となる配列は

欧米人にはきわめてまれであると報告されています。


一方、糖尿病になりやすくなる環境因子としては、

圧倒的な危険因子として肥満が挙げられるほか、

喫煙や運動不足などがあります。 

慢性に高血糖が持続すると、

膵β細胞機能が障害されると共に、

過剰な血糖をグリコーゲンに転換して蓄える筋肉や、

肝臓、脂肪に転換して蓄える脂肪組織においても

インスリン抵抗性が生じて更なる高血糖をもたらし、

これがインスリン分泌不全、インスリン抵抗性を更に増悪させ、

糖尿病状態を一層悪化させる状態が糖毒性として取り上げられています。

 さらに血中遊離脂肪酸の上昇がみられる肥満では

肥大した脂肪細胞から種々のサイトカインや脂肪酸が分泌され、

遊離脂肪酸が膵β細胞機能を障害すると共に、

インスリン抵抗性が増強される状態が脂肪毒性として取り上げられています。



今回のお話は少し専門用語も出てきているので、

難しく感じるかもしれませんね。 


次回は、1型2型以外の糖尿病について解説していきたいと思います。



2013年9月24日火曜日

糖尿病の分類②(1型糖尿病)

今回は、前回の続きで、

“1型糖尿病”についてお話していきたいと思います。 


1型糖尿病(いちがたとうにょうびょう)は、

膵臓のランゲルハンス島で

インスリンを分泌しているβ細胞が死滅する病気です。 


その原因は、

主に自分の免疫細胞が自らの膵臓を攻撃するためと考えられていますが(自己免疫性)、

まれに自己免疫反応の証拠のない1型糖尿病もみられているようです(特発性)。


自己免疫の異常が重要な要因の一つと考えられていますが、

自己免疫系自体が不明な部分を多く残すため、

今現在では、

1型糖尿病の発症メカニズムは正確には明らかではありません。


 一般的に、

「生活習慣が悪かったので、糖尿病になりました。」と言う場合、

1型糖尿病を指すことはほとんどありません。


 患者の多くは、10代でこれを発症します。 


血糖を下げるホルモンであるインスリンの分泌が極度に低下するか、

ほとんど分泌されなくなるため、血中の糖が異常に増加し、

糖尿病性ケトアシドーシスを起こす危険性が高いです。 


そのため、ほとんどのケースでは、

インスリン注射などの強力な治療を常に必要とします。 


常にインスリン注射を携帯し、

毎日自分で注射しなくてはなりません。


1型糖尿病は糖尿病の一種ではありますが、

生活習慣病の影響による2型糖尿病とは違い、

1型は自己免疫疾患や特発性のものがあり、

両者は全く異なる病気です。


 次回は、2型糖尿病について解説していきたいと思います。



2013年9月22日日曜日

糖尿病の分類①


今回は、“糖尿病”の分類についてお話していきたいと思います。


血液中のブドウ糖濃度(血糖値、血糖)は、

様々なホルモン(インスリン、グルカゴン、コルチゾールなど)の働きによって、

正常では常に一定範囲内に調節されています。


いろいろな理由によってこの調節機構が破綻すると、

血液中の糖分が異常に増加し、糖尿病になります。


糖尿病は大きく1型と2型にわけられますが、

これはこの調節機構の破綻の様式の違いを表しています。


“1型糖尿病”では、膵臓のβ細胞が何らかの理由によって破壊されることで、

血糖値を調節するホルモンの一つであるインスリンが枯渇してしまい、

高血糖、糖尿病へと至ります。


一方、“2型糖尿病”では、血中にインスリンは存在するが、

肥満などを原因としてインスリンの働きが悪くなるか、

あるいは自己免疫的に破壊された訳ではないが、

膵臓のβ細胞からのインスリン分泌量が減少し、

結果として血糖値の調整がうまくいかず糖尿病となります。


その他にも、妊娠糖尿病をはじめとして発症機序の違いに基づくいくつかの病名があって、

これらをひとまとめにしている糖尿病は、

病名というより“症候群”と言ったほうが適切かもしれません。


次回は、今回の続きで、糖尿病の分類の詳細について解説していきたいと思います。

(次回は1型糖尿病の解説です。)



2013年9月20日金曜日

糖尿病の原因




今回は、“糖尿病”の原因についてお話していきたいと思います。


糖尿病は、ホルモンの一種であるインスリンの作用が不足することによって、

慢性的に血糖値が上昇する(血糖値が高い状態が持続する)病気です。


※ インスリン : 血糖値を抑える作用があります。


インスリンは、膵臓のランゲルハンス島β細胞という箇所で作られます。

常に少量が血液中に分泌される「基礎分泌」と、

食事摂取による血糖値上昇に伴い分泌量が増える「追加分泌」があり、

肝臓や筋肉、脂肪組織などに働いて血糖値を低下させます。


インスリンの作用が不足する主な原因は、


(1) 膵臓からのインスリン分泌の低下


(2) 膵臓からのインスリン分泌はあるものの、

      肝臓や筋肉でのインスリンの働きが悪くなるインスリン抵抗性の存在



が挙げられ、(1)および(2)の両方であることもあります。

糖尿病は、初期の頃は自覚症状がほとんどないため、

健康診断などを定期的に受け、

血糖値の上昇を早期に発見することが必要になってきます。

自覚症状として、口渇、多飲、多尿、体重減少などが現れてきたときには、

糖尿病は既に進行しており、

多くの場合、中等度以上の高血糖が長期間続いている

状態になっている可能性が非常に高いです。



次回は、糖尿病の分類について解説していきたいと思います。




2013年9月18日水曜日

糖尿病とは?


“糖尿病”について、これから数回にわたり、

誰にでもわかりやすくをコンセプトに解説していきたいと思います。


糖尿病(とうにょうびょう ; diabetes mellitus)とは、

単純に血糖値(血液中のグルコース(ブドウ糖)濃度)が

病的に高い状態を指す病名になります。


一言に血糖値が高いと言っても、無症状の状態から、

著しいのどの渇き、多飲、大量の尿を排泄する状態、体重減少、

重篤になると意識障害、昏睡に至るまで様々な状態があり、

これらの状態をすべてまとめて、

血糖値やヘモグロビンA1c値が一定の基準を超えている場合を

糖尿病 と言っています。


糖尿病は高血糖そのものによる症状を起こすこともあるほか、

長期にわたると、血中の高濃度のグルコースがそのアルデヒド基の反応性の高さのため、

血管内皮のタンパク質と結合する糖化反応を起こし、

体中の微小血管が徐々に破壊されていき、

目、腎臓を含む体中の様々な臓器に重大な障害

(糖尿病性神経障害・糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症の微小血管障害など)

を及ぼす可能性があり、

糖尿病治療の主な目的はそれら重篤な合併症を防ぐことにあります。



次回は、糖尿病の原因や糖尿病の分類について触れていきたいと思います。